白内障手術

白内障とは

白内障とは、眼球内の水晶体という透明な組織が濁り、視力低下する眼疾患です。 原因としては加齢によるものが最も多いですが、糖尿病や紫外線の浴び過ぎなど、要因は様々あります。社会の高齢化によって患者数も著しく増えています。


後発白内障


白内障手術後霧がかかったようなかすみと視力低下を感じたら後発白内障かもしれません。白内障手術をされた約30%ぐらいの方におこります。 白内障手術時、残した"のう"(嚢)が繊維化し、濁ってくる病気です。治療方法として、レーザー治療(YAGレーザー)をします。1分程度の照射で痛みもありません。健康保険適応で1度で済みます。外来手術で対応していますので、早めの受診をお勧めします。



白内障の説明



白内障の手術方法




白内障手術


単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズ

従来の白内障手術は水晶体の濁りを取って見えるようにすることが白内障手術の目的でした。多焦点眼内レンズの出現で見え方を選択できるようになりました。最初の多焦点レンズは遠方と近方に度数が合うものでしたが、その後、焦点の合う位置のバリエーションが増えてきました。老眼鏡がわずらわしく感じられる方などに喜ばれています。

単焦点眼内レンズはコントラスト感度も高く、多焦点眼内レンズよりハロー、グレアが少なく、見える質がいいレンズです。多焦点レンズですが、5焦点眼内レンズはハローグレアが非常に少ないレンズです。


単焦点眼内レンズ

アクリソフ® IQ

レンズの特徴

自然な見え方の視界の良い非球面のアクリル製黄色着色眼内レンズです。眼内レンズによっては、物が青白く見えるものもありますが、この着色眼内レンズは、ナチュラルな色の見え方をします。単焦点眼内レンズですので手術後眼鏡が必要になります。挿入した眼内レンズは半永久的に使用出来、違和感もありません。

・焦点が一つの眼内レンズ

・コントラスト感度が高い 

・シャープに見える


単焦点眼内レンズを選択された方

 焦点を遠方に設定すると、遠方がよく見え、近くが見えにくくなります。老眼鏡が必要となります。

近視のある方:近視を残した場合、近視に設定した度数の眼内レンズを挿入することで、今まで通り近くが見え、生活が変りません。遠方を見るための眼鏡は必要となります。



多焦点眼内レンズ

複数の度数のレンズが1枚の中に入っている眼内レンズです。選定療養対象(手術料は保険診療)の2焦点、3焦点、自由診療の5焦点があります。



白内障手術後の見え方を左右する乱視矯正手術


乱視の強い方は、乱視用の眼内レンズを挿入する方法があります。手術後、乱視が残るとすっきりと見えないことがあります。当院ではフェムトセカンドレーザーやレーシックを使った乱視矯正手術をおこなっています。白内障手術後で乱視など屈折異常が残り、裸眼視力が良くない方はご相談ください。



乱視矯正手術前の角膜形状(トポグラフィー)

乱視矯正手術前の角膜形状測定の画像です。術前は1.17D(裸眼視力0.3)の乱視があります。蝶ネクタイ様の乱視が見て取れます。

乱視矯正手術後の角膜形状(トポグラフィー)

乱視矯正手術をすることによって、術後は0.29D(裸眼視力1.0)の乱視に軽減し、蝶ネクタイ様の乱視が消失していることがわかります。



当院の白内障手術の特徴


内科的要素も考慮した手術


目の病気だけではなく高血圧症や心臓疾患で抗凝固療法をされている患者様の内科的要素も考慮した手術をしています。手術による体への負担を軽減するよう努めています。


希望の見え方を丁寧にカウンセリング


生活の中でのご希望の見え方を大切に適切な度数の眼内レンズを決定しています。患者様が希望される見え方に細かく調整していきます。


細かな視力調節にお応えします


角膜内皮細胞検査、角膜形状解析装置により、 まず詳しい角膜の状態を把握します。 その後、眼軸長測定機器により測定したデータをふまえ、適切なレンズを選定します。



日帰り白内障手術も入院も対応


ほとんどの方は日帰り手術で、手術後院内で休憩をとっていただき、診察のあと帰宅できます。遠方の方など、入院にも応じています。


手術時間は10分程度 麻酔は点眼麻酔


手術は顕微鏡を用いて行い、当院では2.4mmの切開口から超音波で水晶体の濁りを取ります。その後眼内レンズを挿入し、10分程度で終わります。麻酔は点眼麻酔を使います。


痛みはほとんどありません


内服の鎮痛剤も使いますので、痛みもほとんどありません。又、適量の安定剤も服用してもらいますので、手術時の不安感も少なくなります。手術中は意識がありますが、リラックスしていただけるよう、お声掛けもいたします。




白内障手術費用


単焦点眼内レンズによる白内障手術

白内障手術費用は保険適応で行います。自己負担分は個人の収入により異なり、高額医療の対象になります。手術時に使う薬剤や、日帰り手術、または入院しての手術などでも費用が変わってきます。手術費は手術日にお支払をお願いしています。


多焦点眼内レンズによる白内障手術

2020年度4月より、選定療養対象の多焦点眼内レンズでの手術は、手術費用の一部は保険適応となりました。眼内レンズ代は自費診療になります。