老眼手術

多焦点眼内レンズ挿入手術

白内障手術における老眼治療として開発されのが多焦点眼内レンズです。遠・近の2焦点、遠・中・近の3焦点、そして新しく遠・遠中・中・中近・近の5焦点眼内レンズが加わりました。より快適な見え方が期待できるレンズとなりました。

 

多焦点眼内レンズを使用する白内障手術は、厚生労働省が定める選定療養の対象となりました。選定療養は医療保険対応の白内障手術の費用と自己負担の多焦点眼内レンズの費用の合計になります。



各種眼内レンズの見え方

単焦点眼内レンズ:遠方が良く見える

2焦点眼内レンズ:遠・近が良く見える

3焦点眼内レンズ:遠・中・近が良く見える



当院での選定療養対象の眼内レンズ

製品名 レンズの特徴 レンズ種類 ピント数と距離

 パンオプティクス

イエローレンズで自然光の見え方に近い

ハロー・グレアがある

3焦点

 

遠(∞)・中(60cm)・近(40cm)

テクニスマルチ

フォーカルワンピース

 クリアレンズで明るく青白く見える

ハロー・グレアがある

2焦点

遠(∞)・近(40cm)

※5焦点眼内レンズIntensityは自由診療なので対象外です


当院の多焦点眼内レンズの合わせ方

ひとりひとりの”見える感覚”を大切にします

先進医療の白内障手術

白内障の状態、生活環境を考慮し、数値では表現出来ない”個々の見える感覚も”大切に眼内レンズを選択していきます。選定療養に指定されている3焦点眼内レンズ(AcrySof lQ PanOptix Trifocal)も採用しています。また、自費診療ではありますが、5焦点眼内レンズ(Intensity)も取り扱っています。

術後に近視・乱視・遠視などが残ってしまい、見えにくく感じることがあります。当院ではレーザーを使っての矯正技術がありますのでしっかりとした術後矯正が可能です。

2008年から多数の多焦点レンズ手術をおこなってきました。検査数値は良好なのに見えにくい方がいます。そういう方には、丁寧に時間をかけて、”見える感覚”をより高め、快適な視界になるようにするトレーニングもあります。

 


多焦点眼内レンズの注意点

見え方に脳が慣れるまで少し時間がかかります

多焦点眼内レンズは1枚のレンズにいくつもの度数のレンズが入っているので、最適な見え方を映そうと”脳”が調節をします。最初、見えにくさを感じられても、徐々に見えるようになっていきます。見え方に脳が慣れるには年齢や個人の差がありますが、1か月ぐらいで殆どの方が慣れられます。

眼鏡をした方が見えやすい場合があります

多焦点眼内レンズは若い頃のように自由に焦点が合う訳ではありません。2焦点眼内レンズの場合、遠方と30~40cmぐらい、3焦点眼内レンズの場合は中間60~70cmを加えた三焦点で合う設定です。見たい所の距離や位置によっては見えにくく感じる時や、細かい文字を読む時などには眼鏡を使用した方が楽な場合もあります。5焦点眼内レンズは3焦点にさらに133cmと60cmの焦点を加えたことで、従来の眼内レンズに比べ、連続した見やすい視界が設定されていますが、非常に近い距離などは眼鏡が必要かもしれません。

ハロー・グレアが起こることがあります

術後、暗い所や夜間で光を見ると滲みやぎらつきを感じることがあります(ハロー・グレア)。1か月程度で気にならないぐらいに落ち着きます。

より良い裸眼視力を得るために度数補正(タッチアップ)が必要な場合があります

当院ではエキシマレーザー(レーシック)やフェムトセカンドレーザーを導入しており、近視度数や乱視度数の補正ができる体制が整っています。


手術適応


白内障の方で老視の方・日常生活でなるべく眼鏡をかけたくない方

※ 眼の疾病等、手術に適さない可能性もあります。詳しくは医師にご相談下さい。


手術方法


白内障手術と同様になります。当院では点眼麻酔を使い、痛みもほとんどなく、10分ほどで手術は終わります。ほとんどの方は日帰り手術で、手術後院内で休憩をとっていただき、診察のあと帰宅できます。 入院の相談にも応じております。ご相談下さい。